一口に「介護施設」と言っても様々な種類に分けられ、利用者のニーズに合わせた役割や設備条件があります。
ここでは自宅介護の大きな助けとなる通所型介護サービスについて基本的な情報をまとめました。
デイサービスとデイケアの違い
通所型介護サービス |
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デイサービス |
デイケア |
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名称 | 通所介護 | 通所リハビリテーション |
目的 | 生活活動 | リハビリ活動 |
特徴 |
日帰りで直接施設に通い、レクリエーションや食事・入浴などのサービスを受けます。 医師は常駐していません。 |
利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができる様、歩行訓練や基本動作訓練、日常生活訓練などを行ない心身機能の維持や回復を図ります。 医師を置くことが義務になっています。 |
メリット | レクリエーションでの楽しい時間を過ごすことで、家族以外の人との交流を増やし、新しい刺激を受けることができます。利用者の社会的孤立感の解消や在宅介護をしてくれる家族の負担の軽減にもつながります。 | 専門家の指導を受けることができ体力の向上や維持ができます。身体機能の回復訓練だけでなく、食事や入浴などの日常の支援をすることもあります。 |
運営団体 | 社会福祉法人、株式会社など | 医療法人、病院など |
利用料 | 比較的安い | 比較的高い |
通所型介護サービスの種類
▶ 通所介護(デイサービス)
自宅から施設に通い、日帰りでレクリエーションや食事・入浴の提供を受けます。
利用者が可能な限り利用者の居宅において、持っている能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活相談やそれに関する助言、健康状態の確認や機能訓練を受ける介護保険サービスをいいます。
▶ 地域密着型通所介護(小規模デイサービス)
2016年に導入された区分で、利用定員が18人以下の小規模デイサービスを指します。
施設では食事、入浴、排泄などの日常生活上の支援や機能訓練、レクレーションなどのサービスを提供します。
▶ 療養通所介護(療養デイサービス)
重度の介護を必要とする人や末期がん患者など、介護に加えて医療的なケアを必要とする人を対象としています。
利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。介護士のほかに医療行為を行う看護師を配置することが定められています。
▶ 認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)
認知症を持つ方を対象としたデイサービスです。通常のデイサービスでも認知症の人の利用は可能ですが、スタッフや環境になじめない、利用者間でのトラブルが発生するなど可能性も考えられます。
しかし「認知症対応型通所介護」は、認知症の方への専門的なケアを提供することを目的とした事業所であるため、認知症の方に適した運動やレクリエーションを通して機能訓練、口腔機能の向上サービスを行い心身機能の維持・回復を目指します。
▶ 通所リハビリテーション(デイケア)
利用者は病院、老人保健施設、診療所などの通所リハビリを提供している施設に通い、医師の指導のもと歩行訓練や基本動作訓練、日常生活訓練などを行ないます。リハビリが中心となりますが、施設によっては入浴や食事のサービスも行います。
▶ 介護予防通所リハビリテーション
介護予防を目的とし、可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう自宅から施設に通い食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。出来る限りの日常生活の自立を助けるための理学療法や作業療法などのリハビリを行います。
デイサービスとデイケアの指定基準について
通所介護(デイサービス)
広さ・設備 |
・食堂及び機能訓練室(デイルーム):それぞれ必要な面積を有するものとし、その合計面積が(利用定員)×3平方メートル以上 ・静養室 ・相談室 ・事務室 ・消防設備その他非常災害に際して必要な設備 ・トイレ ・厨房 ・浴室、脱衣室(サービスで使用する場合) |
人員 |
①管理者 ②生活相談員 ③看護職員 ④機能訓練指導員 ⑤介護職員 ※利用定員が10名以下の地域密着型通所介護事業所の場合は ③看護職員又は⑤介護職員のいずれかを1人以上となります。 |